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第24話 果てしない想い

あっという間に時間が過ぎていく。
もうすぐ日が昇るだろうか。
だが3人はそんなことでは立ち止まらない。
望みを叶えるために全てを賭ける。
うな 「扉、開けるぞ。」
かるび「はい!」
3人は重い扉を押す。
その扉の先にいたのは…

うな 「…ぷ、ぷよ?」
薄暗くてよく見えないが、確かにぷよがいる。
すいか帽が持っていたたいまつを近づけると、藍色のぷよだった。
うな 「なんだ、このぷよ?」
ぷよ 「よく来たね。」
うな 「うわっ!喋った!?」
かるび「美味しそうですね。」
うな 「逆だろフツー。」
突然の出来事に3人は驚いた。
だが、今までいろいろな事を経験した彼らはほとんど動じない。
ぷよ 「僕は普通のぷよじゃないんだよ。
    僕はアルティぷよ。宇宙の力を得たぷよなんだ。」
うな 「宇宙の力?」
かるび「知っています。醤油がよく合います。」
うな 「そうなのか?」
このやりとりを聞いて平常心を保てる者は少ないであろうに。
ぷよは少し顔を歪めた後、また元の表情に戻して話し続ける。
ぷよ 「…君たち、竜の玉が欲しいんでしょ?
    なら、僕と戦わないかい?」
うな 「お前みたいなザコには用は無いな。」
ぷよ 「おっと、舐めてもらっちゃ困るね。」
うな 「ぷよのくせにうるさいなぁ」
ぷよ 「じゃあ…アルティマ!!!」
うな 「何!!?」
ぷよは頭の先から青い光の輪を放つ。
うなは間一髪でかわしたが、それが床に当たる反動からは逃れられなかった。
うなは大きく吹き飛ばされる。
うな 「な…強い…」
ぷよ 「これでも僕は第四の刺客。直撃してたら死んでたね。」
うな 「舐めやがって…炎の息!!」
ぷよ 「アルティマ!!」
赤と青の2つの光はぶつかりあうが、うなの炎は簡単に掻き消された。
今度はうなにアルティマが直撃してしまう…
うなは反対側の壁に叩き付けられてしまった。
うな 「何て強さだ…
    すいか帽、かるび!後は任せた…」

かるび 「凍結符!!」
ぷよ  「アルティマ!」
うな  「かるび、一発じゃ無理だ!もう一発!!」
かるび 「鎌鼬符!!」
氷柱は風の斬撃で砕け、無数の矢となって飛んでいく。
だが、それすらアルティマには敵わなかった。
うな  「かるび!避けろ!」
かるびは横に飛んで避けるも、無情にもアルティマはかるびの足に当たる。
かるびは悲鳴を上げて転がりながら倒れ込む。
うな  「かるび!!」
うなは何度か呼ぶが、かるびは一向に立ち上がらない。
ぷよ  「アルティマの輪は、
     その輪の中の重力を操って、とんでもない圧力を生み出すんだ。
     足、折っちゃったかな?」
うな  「ふざけやがって…気をつけろ、すいか帽!」
ぷよ  「次は君かい?
     …すいかが食べたい?
     まさか、そのためだけに竜の玉を…?」
この言葉で、すいか帽の目に血が上って行く。
どんなに強くてもぷよはぷよ。
そのぷよにバカにされて黙っていられる人間はほとんどいないのだから無理は無い。
すいか帽「氷斬破!!!」
ぷよ  「アルティマ!!」
すいか帽の剣にアルティマが当たる。
耳を劈くような音を立ててお互いに軋み合うが、
アルティマの光は音を立てて凍り付き、さらに大きな音を立てて砕ける。
ぷよ  「ま…まさか…」
強力な冷気を帯びた剣はそのままアルティぷよに直撃する。
ぷよ  「すいかが食べたい…?
     そんなバカな…」
言い終わらない内に、アルティぷよは真っ二つに切り裂かれた。

うな 「…やっとか…」
かるび「次が最後の戦いです。
    焼き肉の食材探しにも終止符を打てます。」
うな 「…足、大丈夫か?」
かるび「あ…」
気付かなかったとでも言うのだろうか。
かるびは神官魔法で足の傷を癒す。
うな 「よし、行くぞ。」
3人は最後の部屋に向かっていった…

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