戻るっ 前へ

第59話 少女と老夫婦

すいか帽とうなが目覚めた時、太陽は真上を通り越していた。
いつの間にか林の中にいる。生えている植物の種類は先程の無人島のものとは異なっている。
どうやらまた別の場所に吹き飛ばされたようだ。
そこには小道があり、人間に会えるかもしれないという期待があった。
そして、その期待はすぐに現実となった。
道の奥から一人の男が歩いてきたのだ。
商人 「おや?また旅の方ですか?」
うな 「また?」
男は大きな荷物を携えた商人だった。
商人 「私は旅する合成屋。あなたの持っている道具から新しい道具を作ることができるのです。」
うな 「へ〜」
商人 「すいかが食べたい? …さっきも似たような事を言われたような…
    そうそう、この先の村には今は誰もいないみたいですよ。残念でしたね。」
この先に村があるという事は、少なくとも無人島からは脱出できたようだ。
しかし、無人島の次は無人村。一難去ってまた一難である。
商人の忠告を無視して村に踏み入った二人。
立て札によると、ミコレの村という場所らしい。
その村は人の気配が無く、柔らかな静寂に包まれている。
ほとんどの家はまだ新しそうに見えるが、所々コケや雑草に侵蝕されている。
先程の商人の言っていた通り、ここは無人村のようだ。
うな 「とりあえず物色しとくか。」
二人は片っ端から建物に侵入してみた。
どの家も特に変わった様子は無く、ただ分厚く埃が積もっているだけだった。
三軒目にしてようやく家具以外の物を見つけた。
一冊の本が机の上に置かれていた。埃を被っておらず、しかも開いたままである。
うなはその本を読んでみた。
うな 「日記みたいだな。どれどれ…
『愛する娘へ。
 この日記を読んでいるという事は、まだ旅の目的を果たせていないのであろう。
 この日記を持っていくといい。
 この日記が、旅の真相を究明する鍵になることだろう。』
    …何のことだ? 娘って誰だ?
    あ〜あ、結局この家にも何も無かったか。」
本を閉じてすぐ近くの机の上に本を放り投げる。
すいか帽「…?」
その本に違和感を感じたのはすいか帽だった。
端の方から少しずつ薄い土の色に変わっていっているのだ。
手にとってみたが変化は止まらず、ついに本は固く重く、石のようになってしまった。
うな  「ん?どうしたんだ?
     …あれ、それってさっきの本だよな?」
もう一度本を開いてみた。ページが固まっており、開ける箇所は一箇所しかない。
本を開ききった瞬間、視界が青白い光で覆われた。
すいか帽「!?」
二人の体は青い光に包まれ、体が吹き飛ばされそうなほど軽くなった。
…そして、またもや意識を失ってしまった。


風が冷たい。
うな  「ハックション!!……あー」
目を覚ますと、森の中にいた。
何度も吹き飛ばされた負担と混乱で頭痛がする。
全く見覚えの無い場所だったが、見覚えのあるものがあった。
すいか帽「!」
うな  「あ!! かるびじゃないか!!」
穏やかな顔で倒れているかるびがいた。
何故こんな場所で眠っていたのだろうか。
…自分達も今しがた起きたばかりなのだが。
かるび 「…?」
彼女は目を覚ましても暫くぼーっとしていた。
が、暫く待った後も相変わらずぼーっとしていた。
うな  「こんなところにいたのか。」
かるび 「……は…」
すいか帽「?」
かるび 「刺身は醤油。鍋はポン酢。納豆はマヨネーズ。」
うな  「……まぁいいか、出発するぞ。」
再会の喜びは後回し、まずはこの森から脱出する事が先決のようだ。
うな  「…ここは何処だ?」
かるび 「ここは何処ですか?」
うな  「俺の質問に同じ質問で返すなよ。」
すいか帽は遠くでガサガサと草の音が聞こえた気がした。
かるび 「やっぱり納豆にはかつお節でしょうか?」
うな  「発酵物に発酵物をトッピングするなよ」
すいか帽が音の方へ近寄ってみると、すぐ近くに一人の老人の後姿が見えた。
二人に手招きするすいか帽。
かるび 「向こうに人がいます。」
うな  「ちょっと行ってみるか。」





お詫び

ここからは打ち切りのお詫びです。
言い訳染みているので、興味のない方は戻ってください。



  戻る


長い間更新を中断しておいて勝手だとは思いますが、
今日を持って、この小説をこれ以上書き続けるのは不可能だと判断しました。
理由はいくつもあります。
要約すると、ダラダラと時間だけ長く続けすぎたせいで、
昔の自分と今の自分の間にある価値観のギャップが大きくなりすぎたということです。
このまま昔の価値観を思い出しながら書き続けるのは精神的にきついです。
私の遅筆がもたらした結果であることは間違いありません。
続きを待っていた方には本当に申し訳ありません。

次回作ではこのような事が無いように努めます。



 戻る





没ネタ

ここからはネタ帳暴露です。
絶対に続きを書かないので、あまり意味はありません。
今では単なる没ネタです。
見たくない方は戻って下さい。



  戻る





思い入れのある方は特に、見るとがっかりすること間違い無しです。
考えるより早く戻りましょう。



  戻る





反転で読めます。



………これを完成させるには1ヶ月に1話じゃ遅すぎるくらいかもしれない。
理想と現実にギャップがありました。若さ故の何とやら。

戻るっ